インタビュー:合同会社ジャノム 代表社員 日向理彦氏

公開日時: 2015/12/12 PM1:00 JST

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今回のインタビューは、ギフト券販売サイト「コインギフト」やモナコイン交換所「もなとれ」、ブレインウォレット「OfflineWallet.info」など、自身のプログラミングスキルを生かして多数のサービスを手掛ける日向理彦氏。現在は東京大学総合文化研究科博士課程に在籍する傍ら、仮想通貨・暗号通貨を主軸に活動されている。

 

もっと生活の中で「楽しめる」コインも増えることを期待

 

編集部(以下、編):モナコイン交換所やマイニングプール等を立ち上げるなど昨年は国産暗号通貨にも積極的に取り組んでこられたと思いますが、魅力はなんですか?

 

日向氏(以下、日):そもそもの私の仮想通貨への入口はビットコインで、斬新さとシステムの堅牢性に惹かれました。でも僕のスタンスとしては、とりわけ日本国内ではビットコインには投機(金融)商品といったイメージが強いですが、もっと色々な用途のコインが生活の中にあって良いと思っています。企業内でサービス向上に使うものや、ネット上や特定のグループ内で自由に使えるものなどです。

 

モナコイン建ての方が寄付集まった

 

日:2ちゃんから生まれたモナコインにはコミュニティ内でポイントのように自由に使える良さがあって、面白い試みだと思います。モナコインで販売する同人誌「モナコミ!」というのもあります。以前、ビットコインとモナコインで児童への寄付を募った方がいたのですが、モナコインの方が多額の寄付が集まったそうです。グループ意識が生み出す効果ですね。それぞれの仮想通貨にそれぞれの特徴があるのはよいことだと思っています。

 

モナーコイン以外にも国産暗号通貨は何種類かあるのですが、ただ残念ながら、国産暗号通貨のシェアの8割方をモナコインが占めていて他のコインの台頭はありません。オリジナルのコイン発行ブームは昨年でひとまず落ち着いた印象です。

 

どうしたら仮想通貨は買いやすく、使いやすくなるか

 

編:国内の仮想通貨、暗号通貨普及には何が必要だと思いますか?

 

日:今後何よりも入手しやすくなって、楽しく便利に使える場所が増えることを期待しています。現状だと取引所で買うには身分証や本人情報等手続きがたくさんあるし、使える場所もまだ少ないですよね。カードのポイントやECサイトと連動したり、コンビニにビットコインのATMが増えたりするともっと身近になるのでは。現在は投資目的で、大人の世界の側面が強い印象ですね。

 

編:日向さんが運営する「コインギフト」のサイトでは仮想通貨で簡単にギフトカードが購入できますね。個人的には今流通し始めたビットコインのクレジットカードより入手も楽だし、すぐに使えて便利だと感じます。

 

日:仮想通貨を簡単に使う選択肢が広がればと思って作成しました。Amazonや楽天、iTunesなどのギフト券、バニラVisaオンライン(インターネット専用のVisaプリペイドカード)などをオンライン手続きだけで購入できて、10分ほどですぐに使えます。

 

1秒から課金できる動画サービス、クラウド型ストレージ…広がる可能性

 

日:普及の観点で今年話題となったのが、ビットコイン払いの動画配信サービスStreamiumです。マイクロペイメント課金で、自分が見た分量だけ秒単位から支払いができる機能を実現したサービスが注目を集めました。P2P型で誰でも動画を配信することができ、それを見たい人がビットコインを支払って見るという仕組みです。

 

この仕組みは、ビットコインのマイクロペイメントチャネルという方法で機能します。簡単に説明すると、これは取引する個人間で専用のアドレスを作り、いくらかビットコインを入れておいて取引の最後に使った分を精算する方法です。この方法なら、取引開始時と終了の際だけ取引手数料を払えばよいというわけです。

 

編:マイクロペイメントはウェブコンテンツのクオリティー向上という意味でも期待されていますよね。他にも今年注目されたサービスはありますか?

 

日:最近ブロックチェーン技術で面白いなと思ったのは分散型クラウドストレージのサービスで「STORJ.IO」といいます。まだ開発中ですが、自分のコンピューターの空き容量を必要な人に貸し出せるというものです。たとえばDropbox や Amazon S3 といった従来のクラウドストレージサービスのように中心となるデータセンターがないのでデータを失うリスクが下がるし、1GBあたりの値段も安くなると期待されています。こうした分散型システムの仕組みはこれからのビジネスのヒントにも繋がる面白い取り組みだと思っています。

 

ユーザーもお得、トークンが手に入るメッセンジャーアプリ

 

日:他にも、仮想通貨好きのコミュニティ内ではLINEのようなメッセンジャーアプリで「GetGems」というものがよく使われています。内部でGEMZというトークン(代用貨幣)を発行しているサービスです。例えば良いコンテンツをシェアするなどユーザーとして貢献すると、トークンが貯めることができます。また、Gemsに広告を出したい企業もトークンで広告費を払います。広告効果が高まればトークンの値段は必然的に上がりますが、このトークンはビットコインと交換もできるため価値の向上はユーザーにも利益になります。メッセンジャーの価値を高めるメリットがユーザーにもあるわけです。

 

編:ユーザーも興味を持って利用してみることで、より面白くて便利なサービス誕生を促す好循環が生まれるのだと再認識しました。ありがとうございます。

 

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