イーサリアムがハードフォークへ

公開日時: 2016/07/20 PM3:30 JST

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イーサリアムが1,920,000番目のブロックに達したタイミングでハードフォークすることになっている。タイムゾーンによって20日~21日の間になる予定で、7月20日12:30の時点でのイーサリアムのブロックは1,917,473番目だ。

 

もうご存じの方とおり、イーサリアムがハードフォークの決断に至った原因はドイツのSlock.it社によるThe DAOという分散型の投資ファンドプロジェクトだ。クラウドセールで150億円相当のイーサを集めて大きな話題を呼んだものの、コードの脆弱性を突かれて集めたETHが流出してしまった。

詳しい記事:The DAOのイーサ流出事件 とこれからの道筋

 

その後ホワイトハッカーたちによるETHの吸い上げが行われ、資金を安全な別の子DAOに移動させて時間を稼ぎ、最終的にハードフォークを行う決断に至った。

 

【これまでのThe DAOプロジェクトの流れ】

4月30日:ローンチ

5月28日:クラウドセール終了、150 億円相当のイーサを集める

6月17日:The DAOのETH流出事件発生

7月20日~21日 :ハードフォーク予定

 

当初はソフトフォークの案が有力とみられた時期もあったが、ソフトフォークではセキュリティ面で新たな問題が起きると分かり、ハードフォークを実行する形となった。

 

また、「何もしない」という選択肢もあったが、ハードフォーク支持派からは「まだできて間もないイーサリアムのイノベーションの芽を摘んでしまうことになる」、「プルーフ・オブ・ステークに移行した際にハッカーが大量のイーサを保有している状態は避けたい」、「巨額の資金を回収することができる」といった意見が挙げられている。

 

Slock.itの説明によると、今回のハードフォークでは一般に思われるような取引をロールバックする方法とは違い、The DAOに関係のない取引は影響を受けることはない。これまでのやり取りで子DAOに移された分だけの記録が修正され、払い戻し用のDAOに移動する。これでDAOトークンの保有者がDAOトークンを送るとETHが当初と同じ100DAO=1ETHのレートで戻ってくることになる。

 

ETHを取り扱う仮想通貨取引所Krakenはハードフォークが起きる約1時間前からどちらのチェーンが優位か確認できるまでETHの入出金を停止すると顧客向けに通知しており、海外取引所Poloniexも同様の措置を取っているようだ。

 

実際はどのくらいの時間がかかるのだろうか。Krakenのブログでは可能性は低いが場合によっては安全を確保するために数日~それ以上かかる場合もあると述べられている。また、トレードに関しては、予想に反して相場が激しく変動する可能性があるためハードフォーク開始前に証拠金取引のポジションをクローズしておくよう勧められている。

 

さらに各自のウォレットでETHを保管している人々に対しては、ウォレットを最新バージョンにアップデートし、フォークの間はETHでの送金を行わないように喚起している。

 

The DAOで起きた事件がイーサリアム自体を巻き込みハードフォークを行うまでになった今回の事件は今後のイーサリアムにとってもベンチマークされる事例になるという意味で重要なイベントだ。The DAOプロジェクトを始めたドイツの企業Slock.it社のファウンダー兼CTOであるChristoph Jentzsch氏は7月26日から27日にかけて東京で開催されるスマートコントラクト・カンファレンスで登壇する予定なので、もしかしたら今回の件についての話が聞けるかもしれない。

 

参考サイト

Ethereumブログ:https://blog.ethereum.org/

Slock.itブログ:https://blog.slock.it/

CoinDesk:http://www.coindesk.com/hard-fork-ethereum-dao/

Kraken ブログ: http://blog.kraken.com/

 

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