Joseph Lubin氏:イーサリアムのキラーアプリは

公開日時: 2016/08/06 PM3:30 JST

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7月スマートコントラクトのイベントで来日したConsenSysファウンダーであり、Ethereum Projectの設立メンバーの一人でもあるJoseph Lubin氏から話を聞くことができた。

 

ConsenSys(コンセンシス)はイーサリアム(Ethereum)を基盤としたブロックチェーンプラットフォームやアプリケーションの開発を行っており、イーサリアムのインフラ、エンタープライズ、分散型アプリケーション開発の3つが軸となっている。

 

注目は身分証明関連プロジェクト

 

現在の取り組みについてLubin氏は、ConsenSysでは40近い数のプロジェクトに取り組んでおり、開発を進める中でブロックチェーン上のサービスを広くユーザーに広めるには質の高い身分証明システムが必要だと分かったと語る。中でも一番注目のプロジェクトのついて尋ねると「イーサリアムのキラーアプリは何かと聞かれることがありますが、私はアイデンティティの分野だと思います。」と述べた。

 

ConsenSysが取り組んでいるプロジェクトの一つには「Uport (ユーポート)」という身分証明システムがあり、Uportウォレットも近々出てくる予定でConsenSysで開発する他のシステムにも使われるようだ。

 

Lubin氏は「世界には政府によって発行された身分証明を持たない人が25億人もおり、銀行のサービスにもアクセスできません。しかしインターネットを使うことができれば誰でもUportをダウンロードしてブロックチェーン上の身分証明を作ることができます。」と話す。

 

1つ1つのUportのアイデンティティには仕事や趣味の人物像(ペルソナ)を登録することができ、ソフトウェア開発者としての人物像もあればゲームのプレーヤーとしての人物像もある。そして、それぞれの人物像にはレピュテーションが紐付けられているイメージだ。

 

 

 

「身分証明はそれぞれのペルソナの受け皿で、それぞれのペルソナには評判・評価があります。その中には写真や政府によって発行されるIDがあり、もうひとつの側面にはユーザーへの評判・評価があります。もしスイスの身分証明書を持っていてUBSがあなたの身分を確認をしたい場合、既にあなたの身分を確認済みのクレディスイスに連絡をとって、その情報を使う事ができるようになります。基本的に私たちがやろうとしている事は今の世界にある身分証明をブロックチェーンに反映させることです。」とLubin氏は語っている。

 

このように様々な情報を集めたアイデンティティのプラットフォームが出来上がると、その上に様々なツールを構築できるようになる。発展途上国などでの融資への応用例では、長い時間をかけて良い履歴を築いてきた人には多く融資することを決めたり、逆に短期間の記録しかない人はIDを破棄される可能性があるので、一定額にとどめておく、といったこともできるようになる。

 

「評判システムの中にはでクレジット信用スコアやゲーマースコア、ソフトウェア開発者としてのスコアなどを入れたいと思っています。」と語っている。

 

ユーザー自身が自分のペルソナの所有者に

 

また、先進国では身分証明の情報が豊富であるにも関わらず、Googleやfacebookがそれをうまく活用してマネタイズしている事に言及し、ブロックチェーンの身分証明プラットフォームではユーザーがこれを自分でコントロールし、公開したい相手に公開したい情報を見せることができるようになると語った。

 

「facebookやGoogleはうまく私たちの注意をひいてマネタイズしています。ですが、例えば30秒の広告を見る代わりに、見た本人がお金をもらえるといったように、私たち自身がそのアテンションマーケットに参加するかどうかを決めることができます。」と、ユーザー自身が自分で自分のプラットフォーム上の人物像を管理しマネタイズできるビジョンについても語った。