イーサリアム DEVCON2:Vitalik 「ブロックチェーンを、電卓からスマホへ」

公開日時: 2016/09/19 PM8:09 JST

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9月19日、上海のハイアット・オン・ザ・バンドでEthereum Devcon2が初日を迎えた。チーフ・サイエンティストのVitalik Buterin氏をはじめイーサリアムのデべロッパーが多数登壇して、今進められている取り組みのアップデートを行った。

 

昨年ロンドンで行われた第1回目のイーサリアムのデべコン(Developers Conference)には数百人規模の開発者が集ったが、今回の上海も同規模の開発者・関係者の参加となった。

 

Vitalikがシンプルに語る「なぜイーサリアムか」

 

オープニングではVitalik Buterin氏が「25分で見るイーサリアム」(”Ethereum in 25 minutes” A guided tour through the depth of the merkle underworld)と題してイーサリアムについて一から説明。

 

「なぜイーサリアムか? ブロックチェーンはお金だけではなく資産保険やクラウドファンディング、ドメイン登録やIoTまで…多種多様なアプリに利用できる可能性がある。」

 

 

「ブロックチェーンプロトコルのデザインはそれまでは電卓みたいだったり…」

 

 

「よくても万能ナイフみたいだったけど…」

 

 

「スマホみたいに動くプロトコルを作ってみたかった。それがイーサリアム」

 

 

「基本のブロックチェーンに、いくつか小さなことを追加してみた。プログラミング言語で作成すること、アカウントを二つに分けること(秘密鍵でコントロールされるユーザーのアカウントと、コードでコントロールされるコントラクト・アカウント)、そして、誰もがルール作りをこのコントラクトという形で行うことで、アプリを作れるようになること。」

 

このコントラクトのプログラムが継続されることを保証するために各ステップに手数料をチャージしよう、と生まれたのがコントラクトの“手数料”であるGasだった、とも説明した。

 

また、イーサリアムの特長に「特別なマイニング・アルゴリズム」や「高機能の言語」などとともに、「イーサリアムのマークル・ツリー(Markle Tree)」を挙げた。これはビットコインのホワイト・ペーパーに出てくる案で、簡単にいうと「データ数を節約しながら、トランザクションが正統なものかどうか(ブロックに含まれているか)確認できる方法」となる。ブロックのデータサイズを節約するためのアイデアで、このイーサリアム版の試みは大きなものとなった、と話した。

 

 

将来の方向性について「PoS(プルーフ・オブ・ステーク)、プライバシーのサポート、ブロックチェーンのレント、VMのアップグレード、ストレージのもっとフレキシブルな使用法、スケ―ラビリティ」などが挙げられた。

 

Dappsやトークンと証券法との問題 イーサリアムに注目するNPO

 

証券法の観点からのプレゼンもあった。ワシントンDCには仮想通貨関連のスタートアップやVCをサポートするNPO団体のCoin Centerという組織があるが、このCoin Centerに所属するPeter Van Valkenburgh弁護士がプレゼンした。同団体では金融をオープンスペースにするため、「分散型技術」の研究報告をEUやアメリカなどの証券のオーソリティに渡すことでアドボカシ―を行っている。

 

同氏は、2年前はビットコインにフォーカスしていたが現在Coin Centerはイーサリアムに注目し、オープンコンセンサスのアイデアでなにができるかに注目していると語る。

 

どこからが証券で、どこからが証券でないか

 

もしもDappsもしくはトークンが証券としてみなされるようになると、法規制の観点からアメリカで証券を取り締まる機関の規制が入る可能性がある。アメリカのユーザーが存在すればこの規制は関係してくるため、アメリカの企業だけでなくすべての企業に影響してくる。また、証券として扱われている可能性が高くなるかどうかのラインについても言及された。証券として扱われる可能性が低いのは、トークンが将来の利益の期待値ではなく利用価値として購入される場合、アプリケーションがすでに動き始めた段階でトークンが購入される場合、またトークンの価値が消費者や投資家の行動にあまり影響されない場合という。

 

「最初のコインを提供する」「利益を分配する」といった証券の配給が言及されているようなもの、また、登録されていない証券を「プロモーション」するような行為などは避けるべきで、これはプレセールなどの際にも十分注意する必要がある。

 

デべコン2は9月21日(水)までの3日間開催され、22日はスタートアップのデモンストレーション・デ―、23日・24日の2日間は同会場でブロックチェーン・サミットが催される。この一週間、上海はイベント続きの「ブロックチェーン・ウィーク」となる。