シカゴのクック郡、資産移動と先取特権の申請システムへのブロックチェーン導入をテスト

公開日時: 2016/10/22 AM8:30 JST

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アメリカ・シカゴのクック郡は、Velox.reという不動産会社とのパートナーシップによりビットコインのブロックチェーンを使った財産移動とその履歴の記録を試験的に行っている。Cook County Recorder’s Office(クック郡の公的記録管理所)はアメリカで2番目に大きな規模であり、またアメリカの郡の中では初めてブロックチェーン技術のテストを行うことになる。

 

同オフィスはシカゴで、財産の移動と先取特権の申請システムにブロックチェーンのアプリケーションを使うことや、ブロックチェーンと既存のサーバーベースのセットアップとの比較、不正利用の防止、空の資産の移動など、多岐にわたるテストを行う予定である。

 

公的記録にブロックチェーンを利用するためのテスト

 

この試験的プロジェクトには、Velox.reに加えてCook County Recorder’s Officeや、国際ブロックチェーン不動産協会(IBREA)、 Armour Settlement Services、国際法律事務所のHogan Lovellsが参加している。

 

Velox.reのカラード・コイン向けに独自で実装しているオープンアセットプロトコルは、ビットコインブロックチェーンを用いてそれらの用途のテストに使われる。Velox.reのファウンダ―兼CEOであるLifthrasir氏はBitcoin Magazineの取材に対して、「この試験プログラムはたくさんのことを扱う。Velox.reはビットコインのブロックチェーンを資産の移動と先取特権の申請に使用し、ブロックチェーンで高水準のパフォーマンスを発揮している。クック郡は公的記録をつけるためにこの技術を利用しようとテストを行う。これはアメリカでも、世界でも初の事例だ」と話している。

 

これに先立ち、今年バーモント州政府はブロックチェーン技術を公的記録に利用することについてレポートを発表していた。

 

クック郡の公的記録管理所がブロックチェーンの不動産移動手続きへの利用に期待すること

 

コミュニケーションとITに関する譲渡証書の記録を担当しているJohn Mirkovic氏によると、Cook County Recorder’s Officeは以前から不動産記録の新しい管理法としてブロックチェーン技術に注目していたという。

 

国際ブロックチェーン不動産協会(IBREA)の創設者でもあるLifthrasir氏は、Velox.reのソフトウェアによって財産のレコードにかかるコストを単純化・最小化され、同時に詐欺の抑制にも効果があると述べた。「Johnと彼のチームは国内の他の政府機関の先を行っている。」と同氏。

 

クック郡の譲渡証書記録管理部のプレスリリースでは、ブロックチェーンを彼らの業務において使用することには3つの側面があるという。改ざん不可能で国家的な攻撃にも耐性を持った公的記録であること、「e-deeds」とも呼ばれるペーパーレスな不動産移動手続きを実現するための道であること、低費用であることの3点だ。プレスリリースのコメントでは、「こうした点が実現できれば、不動産はもっと流動的になり、手続きはもっとスムーズで安全なものになる」と結んでいる。

 

国際ブロックチェーン不動産協会(IBREA)による普及活動

 

国際ブロックチェーン不動産協会は地域内の個々の民間企業をこの試験的プログラムに動員していこうとしている。この団体はブロックチェーンを不動産関係の目的で利用することを提唱しており、地域内の不動産業者にターゲットを絞って動員を企画している。

 

アメリカの精算サービス会社であるArmour Settlement Services取締役のTali Raphaely氏は、「開拓段階の取組みに参加することは非常に面白く、普遍的なデータベースを創造することに貢献できて光栄でだ。このデータベースによって資産の所有者と投資者が、占有したり移動したりされることのない資産の管理に余分なお金を費やすことがなくなる」と話している。

 

テスト期間が終了したら、次の段階は

 

これはまだ試験的なプログラムであり、テスト期間の後クック郡は結果を考察することになるだろう。同時に国際ブロックチェーン不動産協会がイリノイ州の法律改正の取組みを行い、これらの事例にブロックチェーン技術をもっと容易に使えるようにする必要がある。この試験プログラムの進展は、2017年3月の国際ブロックチェーン不動産協会の第二回年次集会で発表される。