CoinbaseとIRSから見るデジタル通貨と税金問題

公開日時: 2016/12/01 PM3:30 JST

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アメリカの歳入庁、IRSがCoinbase社に対して、2013年から2015年の間に同社で仮想通貨を購入した顧客情報の開示を求めている事がアメリカ国内、そして海外でも話題を呼んでいる。

 

アメリカ最大のビットコイン取引所を巻き込んだ大規模な仮想通貨を使った脱税者の摘発行為だとも言われており、今後プライバシーや税務の問題に大きな影響を与えると考えられる。

 

IRSの発行した召喚状では、これまでビットコインを介した脱税容疑が3件、その内の2つがCoinbase社の顧客だった事から、IRSは多くの人がデジタル通貨を使って同様の脱税行為に至っている可能性を指摘している。

 

この前例のない捜査はアメリカ財務省監査官がレポートを発表した後に行われている。このレポートではIRSが適切なガイドラインを設けていない事を批判し、今後デジタル通貨ユーザーに対する積極的な取り締まりを行うべきとの考えが述べられている。

 

IRSはCoinbase社に対して、ユーザー情報とその取引内容の提出を要請している。同社は本件に関して即座にウェブサイト上で顧客のプライバシー保護に関する通知を発表している。

 

「顧客の皆様は米国政府が昨日連邦裁判所に提出したCoinbaseの米国顧客の3年分の全てのデータの公開を求めた請願についてご存じのことと思います。政府は確証もないままデジタル通貨利用した脱税者がいるかもしれないと述べいています。」
「Coinbaseは基本的に法の執行に関する問い合わせには協力する方針をとっていますが、今回の政府の要請には重大な懸念があると考えています。顧客のプライバシーは弊社にとっても重要であり、法務チームがこの要請について精査中です。現時点においては政府の要請に対して法廷で反論する予定で、この件に関しては引き続き顧客の皆さま状況をお伝えする所存です。」と発表している。

 

この事が今後ビットコインと税務に対する大きな分岐点になると、米国および海外でも考えられており、首都ワシントンDCで暗号通貨や代替通貨の最前線で活躍するCogent Law GroupリーガルプロフェッショナルのAdella Toulon-Forester氏は今回の膨大な情報提示の要求はIRSの暴挙であると述べいている。

 

その他にもNode40社のCEOを勤めるPerry Woodin氏は今回の税務問題に関する実用的な解決案を投じている。まず最初にIRSは税務ガイドラインの更新をする事で顧客が理解しやすいようにするべきだとした上で、「IRSはコンプライアンスに沿うべきとの見解から今回の件に至っているが、そもそもどのように報告を行うことが法律を遵守することになるのかも判っていない。説明不足であり、収支を計算するのも非常にわかりにくい状態にある。」

 

彼はこれらの事を踏まえた上で2つ目の提案として、ソフトウェアシステム、あるいはコンピュータープロトコルを開発する事で年度毎の報告を確認できる仕組みを作るべきだとしている。

 

さらに、11月30日付でIRSの要求がJacqueline Scott Corley裁判官によって認められることとなった。

公開された文書には「国税法にしたがって納税していない人がいる可能性を考える妥当な理由があり、この調査に必要な情報を他に持っていない」と判断の理由が述べられている。

 

海外メディアの取材に対してコインベース側は「この裁判所のの一方的な命令については認知しており、予期していたことでもある。今回の要求に対して、召喚状が出された後反対するつもりだ。以前述べたように、この政府の要求に対する米国顧客の正当なプライバシー保護は重要であると考えている。」と述べている。

 

また、裁判所命令の発行後、IRSのJohn Koskinen氏は次のように述べている。「他の資産と同様に仮想通貨の取引は課税の対象となる。今回の要求は新興経済でビジネスを行う人々が税法に従い責任を果たすようIRSを手助けするものだ。」

 

IRSは2013年1月1日から2015年12月31日までのコインベース社のユーザーに関する情報開示を求めている。

 

【参考リンク】

裁判所命令

Coindesk

Bitcoin Magazine

 

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