日銀、分散型台帳技術の決済システムへの応用はまだ視野になし

公開日時: 2016/12/06 AM10:14 JST

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日本銀行の黒田総裁が、パリのユーロプラス主催フィナンシャル・フォーラムにおける挨拶の中で、分散型台帳技術について“技術への理解に努めてはいるが、まだ日銀が運営する決済システムへの応用という趣旨ではない”という内容の発言を行った。

 

以下は挨拶の邦訳からの抜粋。

 

「日本銀行は、フィンテックの健全な発展を促す観点から、本年4月に『Fintech センター』を設立しました。(略)民間において、フィンテックを象徴する新技術の一つである分散型元帳技術に関する各種の実証実験が進められる中、中央銀行が支払・決済シ ステムの安定といった責務を果たしていく上で、このような新技術への深い理解が一段と求められています。このような問題意識の下、日本銀行決済機構局のスタッフも、分散型元帳技術を実際に扱ってみることにより、一層理解が深化するよう努めているところです。

 

ただし、この取組みの趣旨はあくまでも技術への理解を深めることにあり、銀行券や自らが運営する決済システムへの応用という趣旨ではないことは、強調しておきたいと思います。

 

日本銀行は、フィンテックの健全な発展を支援するとともに、これが金融サービスの利便性向上や経済活動の活性化に結び付いていくよう、中央銀行の立場からなし得る、最大限の貢献をしていく考えです。」

 

これまで、黒田総裁は日銀の立場として今年8月23日に日銀が主催したFinTechフォーラムの中で「将来的に自らの業務にFinTech技術を活用する可能性も含め、調査研究を進めていく必要があると考えています」と発言。その後、11月18日の東京大学と共催のカンファレンスでは、ブロックチェーンやビットコインがもたらし得る影響の大きさに言及した後で「日本銀行が現時点で、銀行券に代わり得るデジタル通貨を発行するといった具体的な計画を持っている訳ではありません。しかしながら、同時に日本銀行としても、ブロックチェーンや分散型元帳など新しい技術の理解に努めるとともに、そうした技術を中央銀行の業務の中で活用し、自らのインフラを向上させていく余地がないかも含め、調査研究を続けていく必要があると 考えています。」と発言していた。

 

 

参照サイト

メディア名:フィンテックと金融イノベーション

URL:http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2016/data/ko161205a.pdf