月や火星で経済活動を行うなら仮想通貨が向いている?  

公開日時: 2016/12/17 AM8:30 JST

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もしも人間がロケットで月や火星に旅行できるようになったら、現地で支払いをする際にどのような決済手段を使うのだろうか。

 

「ブロックチェーン及び仮想通貨の地球外での利用」と題されたレポートがインド鉄道省のDr Kartik Hegadekattiによって発表された。

 

このレポートの中では、宇宙空間で人間が経済活動を行うことを想定した場合、紙幣や硬貨を使うのは理に適わないとして、ブロックチェーンや仮想通貨を利用した宇宙空間での価値の交換の可能性について語られている。

 

現金が宇宙空間でのやり取りに向いていない理由として、紙幣や貨幣を宇宙に打ち上げるのにはお金がかかり、それによって価値の尺度も変わってくることを指摘する。「100ドル札を1枚宇宙に持っていこうとすると1ドルかかる (1キロあたり1000ドルかかると想定し、100ドル札一枚1gの計算)。ということは100ドル札は101円の価値を持つことになる。月まで運ぶとさらにコストがかかり、火星まで持っていくにはさらにかかる。火星では100ドル札の価値が150ドルの価値を持つものになってしまうかもしれない。」

 

これに対して、仮想通貨は価値の交換手段として有効なのではないかとDr Kartik Hegadekatti氏は述べる。ビットコインとは規制され、「人類が本格的に火星に居留地を構築し、カイパーベルトよりも先に行けるようになる頃には、宇宙の経済は(政府等の機関に)管理されたブロックチェーンの複雑なネットワークによってリンクされるだろう。火星ブロックチェーンの上に火星コイン、月コイン、木星コイン[…]というようにそれぞれ管理されたブロックチェーンが存在するかもしれない。」

 

このレポートの著者は仮想通貨なら地球と月の距離でも容易にやり取りができ、政府が価値を補償すれば安定性も高まる上に、月や火星での居留地を作る際は恐らく政府が主導することになるため、これが良いと考えているようだ。

 

このレポートは宇宙空間で現金を使うことは非常にコストがかかり、経済への付加価値を評価する方法としても実現の可能性が低い。よって、紙のお金は宇宙の探索及び定住の妨げとなり、逆に仮想通貨はそれを促すものになる、と締めくくられている。

 

まるでSF映画の中のような想定で、想像力に富んだレポートだ。実際にこのような未来を私たちが目の当たりにできるかどうかは分からないが、いずれにせよ月や火星に人類が入植する頃には、プライバシーやスケ―ラビリティ問題を解決したデジタル通貨が流通しているだろう。

 

レポート参照元:https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2882763

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