2人のTapscott氏が2017年のブロックチェーンについて語る

公開日時: 2016/12/23 AM8:30 JST

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Fintechブームに乗って注目されたブロックチェーン。ビットコイン等の仮想通貨を支える技術としてだけでなく、他の領域での活用についてもパブリックなチェーン、プライベートなチェーン共に多くの企業や政府機関などによって議論や研究も行われた。ブロックチェーンで何ができるのか、何に向いているのか現実的な応用可能性が明らかになってきた中で、今後どのようにサービスの開発やシステムの構築が進められるのかに注目が集まっている。

 

先日出版された「ブロックチェーンレボリューション」の著者、ドン・タプスコット氏とアレックスタプスコット氏が今後の展望等について語っている。以下は海外メディアCoinDeskで公開された彼らの見解の一部だ。

 

ブロックチェーンの展望

 

著書「ブロックチェーンレボリューション」の中で、未来は予測するものではなく成し遂げるものだと書いてはいるものの、以下が2017年のブロックチェーンに起きるであろうと我々が考えることである。

 

1. 主要な中央銀行がデジタルなフィアット通貨を実際にテストする。それが上手く機能し、より広範な普及に繋がる。

 

2. 大手金融機関が大量のOTC取引をプライベートな分散型台帳によるリアルタイム決済に移行するだろう。JP Morgan、Goldman Sachs、Barclays、そしてSantanderが先頭に立つと思われる。

 

3. 各業界の既存の企業はIT人材を採用し、ブロックチェーン戦略の開発およびパイロットプログラムをローンチする。保険業界、ヘルスケア、音楽、そして防衛産業などの確度は高い。DeloitteとIBMが良い例である。

 

4. ビットコインの価格は2,000ドル(約23万円)に達するだろう。イーサリアムは崩壊せず、The DAO以降、新しいアプリやビジネスモデルのためのプラットフォームとなるだろう。その他にも自律的組織が現れ、設計通りに機能する。

 

5. 新しいスタートアップ、特に新しい分野のプラットフォームとミドルウェア企業が参入するだろう。私たちの経験では、驚くようなイノベーションが起きる可能性がある。

 

6. (最近の米国大統領選挙によって証拠づけられたような)民主主義の正当性の危機が責任のある民主主義のための新しい電子投票システムやプラットフォームの開発と実験を促し、スマートコントラクトが注目を浴びることになるだろう。

 

7. 書籍「ブロックチェーンレボリューション」は世界的なベストセラーの座を維持し、複数の言語で出版されニューヨークタイムズのノンフィクションリストに載る。

2017年、2人のTapscott氏は何をするのか?

 

続いてタプスコット氏達は彼らの具体的なアクションについても言及している。

 

1月に研究を開始し、ビジネスにおけるブロックチェーンの影響に関する信頼のできるものにしたいと考えている。世界的な思想家をチームに加え、7つの業種(金融サービス、ヘルスケア、小売り、製造、テレコムおよびメディア、テクノロジー、政府)に取り組む。それと同時にサプライチェーン管理から人事、マーケティング、ITまで横断的にも見ている。近々新しい発表をする予定だ。

 

また、Alexの会社であるNorthwest Passage Venturesが1月に最初のブロックチェーンファンドをローンチする。私たち二人はこのエコシステムを前進させるためにそれぞれの役割を果たしていきたい。

 

2016年はこのエコシステムをより健全にし、初期段階にあるガバナンスを強化することを使命としてMuskoka Groupをローンチした。現在着実に前進していくためのプロジェクトに取り組んでおり、プレイヤーを整理し、それらをGSN Hubによって分類し、エコシステムに足りていないものが何なのか特定している。

 

3月には、得られた知見を公表し、不足点を克服し効果的なエコシステムを構築するための提案を関係者たちに対して行っていく。また、いくつかの国際機関がスポンサーとなるオンラインのBlockchain Ecosystem Hubを立ち上げる。このハブはインターネットの第二の時代のための重要なガバナンスのノウハウを提供するだろう。

 

加えて、Alexはブロックチェーンに関する世界経済フォーラムのグローバルフューチャー会議のメンバーとしての貢献も継続していく。

 

上記の要約から、2人のタプスコット氏は2017年の展望についてはポジティブに考えていることが分かるが、同記事の中ではビットコインのブロックサイズやイーサリアムのtheDAO事件への対応について言及しながら、フレームワーク、言語の壁、重要なリソースへの効果的な責任のためのプロセス等、新しく登場したブロックチェーンにはまだ足りていないものがあることについても述べている。

 

また、2017年に新しい取り組みのローンチや発表を控えているのはタプスコット氏達だけではないはずだ。金融機関や企業、スタートアップ等の間でどのような新しい動きが出てくるのかは楽しみだ。また、彼らは来年韓国、タイ、日本、ヨーロッパ、ラテンアメリカ等のエリアにも進出することに言及している。日本でどのような取り組みが行われるのか今後に期待したい。

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参照サイト

メディア名:CoinDesk

URL:http://www.coindesk.com/the-tapscotts-on-blockchain-2016-and-whats-next/