フィリピン、ビットコイン利用増加で規制導入を検討

公開日時: 2016/12/24 AM8:30 JST

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在外フィリピン人の本国への送金に、ビットコインを利用するケースが増加

 

海外で働くフィリピン人が本国への送金目的でビットコインを利用するケースが増えていることを受けて、フィリピン中央銀行がビットコインや仮想通貨への規制を強化することを検討している。

 

フィリピン中央銀行のネストール・エスペニ―ラ副総裁は、12月19日に行われたブルームバーグによるインタビューで「仮想通貨の取引量は通常の送金経路よりも安価で迅速であるため、利用数が急速に増えています」と話している。

 

仮想通貨交換事業者を正式な規制の下へ

 

同中央銀行の監督・審査部門を統括するエスペニ―ラ副総裁は「われわれは、マネー・ロンダリング(資金洗浄)の可能性と消費者保護について懸念しています。」と述べ、「仮想通貨交換事業者を正式な規制の下に置くことを検討しています。」と話した。

 

今年2月に起こったバングラデシュ中央銀行からの過去最大規模の不正送金事件にフィリピンの金融機関が関係していたことや、8月に香港の仮想通貨取引所が当時およそ6,500万ドル相当のビットコインのハッキング被害にあったことなどから、フィリピン中央銀行はアンチ・マネー・ロンダリングの取り組みを強化している。サイバーセキュリティ部門の拡大計画を発表し、銀行、両替所、質屋などの運用を厳しく監視している状態だ。

 

仮想通貨を利用した送金の月間取引量は、およそ200万ドル

 

フィリピン中央銀行では、仮想通貨が絡む送金取引量は少なくとも1ヶ月につき200万ドルにまで増加していると推定する。昨年1年間での在外フィリピン人によるフィリピンへの送金額の合計は258億ドルにも及ぶため、今のところ仮想通貨がこの本国への送金市場に占める割合は大きなものではない。しかし現在フィリピン国内ではデジタル通貨利用の長所と短所について“国民に対する助言”があるだけの状態であり、正式な規制が必要な段階になっているのではとエスペニ―ラ副総裁はみている。

 

「われわれが現在検討している運用のうちのひとつが実現すれば、フィリピン国内で仮想通貨関連のビジネスを行う企業は国内で合法性を得ると同時に、顧客確認や疑わしいトランザクションの報告などを求められることになり、マネー・ロンダリング対策など特定の問題に対して責任を持つことになるでしょう。規制環境が明確であれば、イノベーションが起こり得ると思っています」とエスペニ―ラ副総裁は話す。