ビットコイン入門

第3回:ビットコインの本質はブロックチェーン

■「インターネットの発明に匹敵」と評される革新的技術

ビットコインの革新性はその基盤となるシステムであるブロックチェーンにある。管理者不在の決済システムと言い換えてもいいだろう。ビットコインで支払ったりトレードしたりする分にはその仕組みまで理解している必要はないが、せっかくならば「インターネットに匹敵するイノベーション」とも評されるブロックチェーンについて、理解しておこう。

ビットコインにおいてブロックチェーンとは、いわば「取引台帳」だ。「ナカモトが安部に10ビットコインを支払った」「安部がオバマに5ビットコインを支払った」といった、ビットコインによる取引データの塊だ。ビットコインによるすべての取引を記録しているため、データ量は10ギガ以上にもなる。

普通の決済システムなら、こうした取引台帳は銀行なり、カード会社なりが管理する。悪意ある人が「安部が私に1000万円支払った」と虚偽の取引を書き込まないようためである。ところが、ビットコインでは管理者がいない。不正がないよう、利用者相互(ピアツーピア、P2P)でブロックチェーンを維持しているためだ。

■ブロックチェーンは不正な取引を許さない

ビットコインによる取引は数百個から3000個程度ごとに、ひとつのブロックにまとめられる。新しい取引はブロックに書き込まれ、新しいブロックは古いブロックに鎖(チェーン)のようにつなげられる。

他人のビットコインを使って勝手に支払おうとしても、パスワードにあたる「秘密鍵」を知らなければ拒絶されてブロックには書き込まれない。また、過去のブロックチェーンを書き換えて自分が大量のビットコインを保有するように見せかけようとすることもできない。他の利用者が「自分のブロックチェーンにはそんな取引は記録されていない」と拒絶するからだ。

すべてのビットコイン取引はブロックチェーンに書き込まれ、誰もが閲覧可能な状態となっている。

■ブロックチェーンの応用技術にも注目が集まる

ブロックチェーン技術の利用法は、ビットコインを始めとする暗号通貨による決済システムへの利用にとどまらない。「管理者がいなくてもP2Pで正しい取引履歴を管理する」という仕組みが活かされる場面は他にも多く存在するのだ。

たとえば、インターネットのドメイン。同じドメインを複数の人が登録しないよう、現在は中央集権的な管理機関が存在する。ところが、ブロックチェーンを利用してドメイン管理を行おうとする暗号通貨がすでに存在するし、ブロックチェーンをより広範な場面で利用する「エセリウム」「イーサリウム」(Ethereum)と呼ばれる技術も先駆的な取り組みとして注目されている。

ビットコインのアイデアを提唱したナカモト論文は「純粋なP2P電子マネーにより、金融機関を通さない利用者同士の直接的なオンライン取引が可能になる」と書き出されている。しかし、ブロックチェーンの概念は今、ナカモト氏の想像を越えて発展しようとしているのだ。

>>第4回:ビットコインはどこから生まれるのか?

著者について 高城泰:投資ライター。個人投資家への取材をライフワークとし、FX(外国為替証拠金取引)や株式投資などの分野で書籍の構成などを数多く行なう。近年では投資先のひとつとしてビットコインに着目。ビットコイントレーダーへの取材を進めている。著書にビットコインなど暗号通貨について解説した『ヤバイお金』(扶桑社)がある。

※この記事は2015年10月に公開されたものです。