ビットコイン入門

第8回:ビットコインの保管方法 ― ウォレット

■ビットコインの盗難リスク対策

ビットコインを利用する際には保管方法とセキュリティについて考えておかなければならない。

ビットコインは消えたり盗まれたりしないかと不安に思う人もいるかもしれないが、危険なのは誰かに自分のビットコインを預けている時だ。ビットコインを買ったら取引所に預けっぱなしにせず、安全な場所に自分で保管しておこう。

■決して漏らしてはいけない「秘密鍵」

ビットコインをどう管理するかは、「秘密鍵をどう管理するか」だ。難しく感じるかもしれないが、秘密鍵は大雑把にいえば銀行口座の暗証番号に近い。ビットコインを保管する入れ物が「ウォレット」だが、自分のウォレットから違うウォレットへとビットコインを送るために必要となるのが「秘密鍵」(プライベートキー)だ。

秘密鍵が誰かに知られてしまうと、ウォレットからビットコインを盗み出されてしまう。取引所のような大量のビットコインが集積する場所は、ハッカーたちに取って格好の獲物ともなるため、頻繁にトレードするのでない場合、より信頼性の高いウォレットへと移動させておく必要がある。

■便利だが安全性には気をつけたいオンライン上のウォレット

もっとも利便性が高いのはインターネット上でビットコインを管理してくれるウェブサービスだが、ウェブ管理者の信頼性が問われるし、ハッキングされる可能性だってある。こうしたウェブ上でのウォレットはどこからでもアクセスできるため日常使いには便利だが、虎の子の資産を預ける先としては頼りない。

デスクトップ型にしても、インターネットに接続して利用する限り、ウィルスの侵入リスクからは免れない。スマートフォンによる管理なら、外出先でもビットコイン決済等をする際に便利だが、それでもウォレットの仕様やメンテナンスの状況によっては安全性に心配があるものもある。セキュリティの確保を優先させる場合、インターネットから切り離した状態で秘密鍵を管理するのが望ましい。たとえば、秘密鍵を暗記してしまう方法だが、秘密鍵は数十桁の数字とアルファベットがランダムに並んだ文字列だから現実的ではない。

■インターネットから切り離す保管方法

より現実的な方法として少なからぬ人が採用しているものに、紙に印刷して保管するペーパーウォレットがある。秘密鍵などの情報をQRコードに変形して印刷し、保管しておくのだ。紛失や盗難、印刷が薄れるなどのリスクはあるが、ハッカーやウィルスの脅威からは免れられる。安全性がもっとも確保される保管方法といえるだろう。

しかし、紙での保管だと「なくさないだろうか」と不安さを感じる人も多いだろう。保管したビットコインの一部で買い物をしたり取引所に送金する時なども不便だ。そこで最近、急速に普及が進んでいるのはUBSメモリーのようなウォレット専用の端末だ。パスワードにより厳重に管理されるし、保管したビットコインを利用したい時だけパソコンに接続すればウィルスなどのリスクも低くなる。

ハードウェアウォレットは中には1台1万円前後するものもあるため、初心者には手が出しづらいかもしれないが、利便性とセキュリティのバランスが取れてはいるため、それなりの額を保管するには向いている。

普段私たちがお金を銀行や財布に分散して安全に保管するのと同じように、ビットコインも額や用途に合わせて保管方法を選ばなければならない。オンラインウォレットは無料で使えるものも多いので、複数試してみても良いだろう。

 

■ウォレットの種類

>>第9回:ビットコインはどう使うのか

著者について 高城泰:投資ライター。個人投資家への取材をライフワークとし、FX(外国為替証拠金取引)や株式投資などの分野で書籍の構成などを数多く行なう。近年では投資先のひとつとしてビットコインに着目。ビットコイントレーダーへの取材を進めている。著書にビットコインなど暗号通貨について解説した『ヤバイお金』(扶桑社)がある。

※この記事は2015年12月に公開されたものです。