ビットコイン入門

最終回:ビットコインを政府はどう考えているのか

■2016年、取引所に対する規制へ

政府はビットコインをどう見ているのだろうか。日本でのビットコインの扱いは2015年末現在、宙ぶらりんの状態にある。ビットコインなどの暗号通貨に対して、どのような規制で網をかけていくのか。主な焦点は2つ。投資家保護の仕組みと、税制上の扱いだ。

先行しているのはビットコイン取引所に対する規制だ。マウント・ゴックスの破たんが世界的な騒動を巻き起こしたことから、「暗号通貨の取引所に対しても法整備を進めて、投資家保護を図るべき」との声が出ていた。株やFXなどの金融商品であれば「金融商品取引法」により、投資家保護のためのさまざまな仕組みが用意されている。そのため投資家は「預けたお金が持ち逃げされるのでは」「注文したとおりにちゃんと株を買ってくれただろうか」と不安に思うことなく、利用できる。

ところが、ビットコインでは投資家保護の仕組みはすべて取引所任せとなっている。預けたお金の持ち逃げや流用、呑み行為などがないかどうか、基本的には取引所の善意を信頼するしかない。

■投資家保護の整備が進む

こうした現状に対して、金融庁は取引所に対して「登録制」を導入する方向で議論を進めている。順調に行けば2016年の通常国会で関連法案が成立する見通しだ。法案が成立すれば、ビットコインなどの暗号通貨の取引所を行なうには金融庁への登録が必要となる。取引所として登録するには最低資本金や公認会計士、監査法人による外部監査などが要件となってくる。

また、投資家が預けた資金と、取引所の運営資金との分別管理も義務付けるようだ。法令に違反するような運営が行なわれていれば金融庁から業務停止などの処分が課される。こうした規制が整備されていけば、投資家はより安心してビットコインを取引できるようになるだろう。

■ビットコイン、残された課題は

次の課題はビットコインの税制上の扱いだ。ビットコインは通貨なのか、モノなのか。モノであれば消費税が課されることになる。ビットコインを使って買い物するとき、消費税を2重に支払うことにもなってしまう。EUではビットコインを「支払手段」として認め、消費税の対象外とする決定が下っている。取引所に対する規制の次には「ビットコインはモノなのか通貨(支払手段)なのか」という議論も進んでいくだろう。

著者について 高城泰:投資ライター。個人投資家への取材をライフワークとし、FX(外国為替証拠金取引)や株式投資などの分野で書籍の構成などを数多く行なう。近年では投資先のひとつとしてビットコインに着目。ビットコイントレーダーへの取材を進めている。著書にビットコインなど暗号通貨について解説した『ヤバイお金』(扶桑社)がある。

※この記事は2016年1月に公開されたものです。